初めての会話
彼と話してみようと思い立った私でしたが、
日々の事務的会話以外、なかなかきっかけがつかめません。
無理やり会話をすることも出来そうだけど、
なんだかそれだと不自然すぎて
彼に引かれてしまいそうな…
そうやって悶々としながら月日は流れ、
入社して2ヶ月位が経った頃。
ある日のお昼休み。
彼と2人きりになる機会がありました。
休憩室が混んでいて
(うちの会社は12時から一斉休憩)
レンチンとお湯待ちの列が発生していたので
彼も私も給湯室に逃げてきたのです。
一応、社交辞令的にお互い
「お疲れ様です」
とは言ったものの、その後シーン。
2人ともお湯が沸くのを待っていたので
いつもなら廊下に避難するんだけど
なぜかこのときは2人ともその場にいた。
スマホをいじるでもなく、
2人ともボーっと立っている。
沈黙が痛い。
思い切って
私「keiさん」
彼 ……… 固。
彼、返事はおろか、目をまんまるくして固まってこっちを見ているだけ。
私(あっ…やっちゃったかな。)
彼、かなり間があいて「はい」
相変わらず目はまんまるのままだけど
一応お返事してくれたので
私も会話してみることにしました。
私「午前中の有線(職場には有線が流れています)懐かしい歌ばかりだったような気がしたんですけど…笑」
この日の有線はなぜか20年くらい前にヒットした歌ばかり。
彼と私は4歳違い。子供の頃なら大きな差ですが
20年くらい前ならお互い大人になってるので
当時流行っていた曲くらいは覚えているかなと
その話題をふってみました。
彼「…○○○」
ボソッと午前中の有線で流れてた曲のひとつ、
当時人気のあった某アーティストの名前を言う彼。
良かった!わかってくれた!
その後はきごちないながらも、なんとか会話になり
お互いの出身地とか飼ってるペットの話とか
家族のことでした。
だいたい、私が聞いて彼が答える感じ。
彼は終始ぎこちなく、顔を真っ赤にしながら
一生懸命答えてくれているのが印象的でした。
この日は
わー♪お話ししちゃったー!
と1日ドキドキしていたのですが
後から振り返ると、どこかしっくり来ないというか
何とも言い表せない違和感が押し寄せるのでした。
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ここがネガティヴのめんどくさいところ。素直に喜べ。